妊娠と葉酸

妊娠しているとき、葉酸を努めて摂る方がいいという話は、おそらく妊娠中の方ならそのような指導を産婦人科で受けていらっしゃると思います。
というのも、お腹の中の赤ちゃんの奇形を葉酸で予防できるからです。
神経管奇形防止のためには、1日400μgの葉酸を妊娠する4週間前~妊娠後12週まで摂取するのがよいとされています。

妊娠2週のはじめに受精した受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら7~10日後に子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。
4~10週の間にヒトとしての体に成長していきます。

先天異常の多くは妊娠10週以前に出来上がっていて、特に中枢神経系・四肢・心臓などは、妊娠7週未満にほぼ完成しています。
ところが、妊娠に気づいて初診に訪れるのは妊娠7週未満は4割にとどまり、6割の妊婦さんはそれ以後に受診しています。

つまり、先天異常発生を予防するためには、妊娠に気づいて受診してからでは遅すぎとなります。
妊娠する4週間前頃から葉酸を1日400μg摂取したり、催奇形作用のある薬を控えるなどの注意が必要です。

すなわち、妊娠する可能性のある女性は、そういうことに普段から気を配る必要があるわけです。

実際問題として出生時で障害をもった赤ちゃんは約1%、その中で成長とともに、障害がわかってくる赤ちゃんを含めると約4%に上ります。
従来、産科領域では常位胎盤早期剥離や流産・死産・妊娠中毒症・子宮内胎児発育遅延などの妊娠中のトラブルの原因のひとつとして葉酸の欠乏が挙げられてきました。

現在、アメリカやオーストラリア・カナダ・南アフリカ・イギリスなどの 先進10カ国では、神経管奇形の発生を防ぐために、妊娠する可能性のある女性に、1日400μgの葉酸摂取を妊娠する4週間前から妊娠12週まで摂取するよう勧めているのだそうです。
その結果、神経管欠損症の約70%を予防できるという勧告を発表しました。
日本の妊娠の可能性のある女性にも、普段から葉酸を摂取する習慣をつけるようにするといいでしょう。

 

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